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アメリカザリガニは特定外来種?子どもに身近な生きものと環境を考える

  公開日:2022/01/07

※この記事は約4分で読めます。

こんにちは、四谷学院のこども環境管理士、林田です。

今日は、アメリカザリガニについて一緒に考えていきましょう。

アメリカザリガニは外来種

アメリカザリガニは、名前に「アメリカ」とついている通り、日本の在来種ではありません。
もともとは、アメリカ南東部のミシシッピ川流域を中心にメキシコ北東部あたりまでを生息地としていました。
日本には、アメリカザリガニはウシガエルの餌として輸入されました。かなり古くから各地で見られるため、皆さんが子どものころから馴染みのある生き物ではないでしょうか。
しかし、最近の研究によって、アメリカザリガニが、日本の自然・希少な絶滅危惧種などに非常に大きな影響を与えることが明らかになりました。
アメリカザリガニによる影響は、以下のようなものが見られます。

・水生昆虫や両生類、魚類、貝類などを食べてしまう
・水草を切断し、他の生き物の生息環境を奪う
・水草がなくなり水の浄化機能がなくなる
・病気を媒介する など

日本の水辺の景観を変え、絶滅危惧種であるニホンザリガニをはじめとする日本の固有種を死滅させてしまうおそれがあるということです。

外来種については、以前の記事でも取り上げましたので、あわせてチェックしてみてくださいね。

外来種って何?外来種が及ぼす影響とは?

アメリカザリガニは特定外来種ではない

アメリカザリガニは外来種ではありますが、外来生物法の特定外来生物には指定されていません。
その理由は・・・

アカミミガメやアメリカザリガニのように、我が国の生態系等に大きな影響を及ぼしているにもかかわらず、飼養等を規制することによって、大量に遺棄される等の深刻な弊害が想定される侵略的外来種については、一律に飼養等や譲渡し等を規制するのではなく、輸入、放出並びに販売又は頒布を目的とした飼養等及び譲渡し等を主に規制する等の新たな規制の仕組みの構築や、各種対策を進める必要がある。日本の外来種対策(環境省ホームページ)

つまり、あまりにも日本になじみすぎていて、もしも「特定外来生物」に指定してしまうとかえって状況が悪化してしまう可能性が出てくるため、特定外来生物への指定は見送られたということなんです。これは、ニュースでも取り上げられ、今後の動向が注目されています。

特定外来生物指定「外来ザリガニ」

外来ザリガニ全種(アメリカザリガニProcambarus clarkiiを除く)が『特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(外来生物法)』に基づく「特定外来生物」に指定されました。2020年11月2日から規制が始まっています。

具体的には…指定の時点で飼育している個体については、指定の6ヶ月以内(2021年5月1日まで)に申請し、許可を受けることで飼い続けることができます。
2020年11月2日以降、特定外来生物として指定された外来ザリガニを新しく飼おうとするときは、主務大臣の許可が必要です。
誰でも買えるというわけではなく、学術研究、展示、教育等の目的に限定されます。新規に外来ザリガニをペットとして飼うことはできません。

アメリカザリガニを見つけたら?


特定外来生物ではなくとも、アメリカザリガニをはじめとする外来種とのつきあい方には非常に注意が必要です。具体的に見ていきましょう。

外来種被害予防三原則

1.入れない

悪影響を及ぼすおそれのある外来種を自然分布域から非分布域へ「入れない」。

2.捨てない

飼養・栽培している外来種を適切に管理し、「捨てない」(逃がさない・放さない・逸出させないことを含む)。

3.拡げない

既に野外にいる外来種を他地域に「拡げない」(増やさないことを含む)。

もしもアメリカザリガニを見つけたら移動させてたりしてはいけません。すでに飼っている場合には、繁殖させたり、捨てたりしてはいけません。

ミドリガメ(ミシシッピーアカミミガメ)

環境省と農林水産省で作成した生態系被害防止外来種リスト(平成27年)では、アメリカザリガニはアカミミガメとともに最も優先して対策を行うべき「緊急対策外来種」に位置づけられています。

参考ページ:環境省
https://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/attention/amezari.html

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