英語で会議。「さあ、始めましょう」って何て言う?ネイティブは”Let’s start.”と言わない?~ニュアンス解説・例文つき~
公開日:2017/09/13
最終更新日:2020/07/13
こんにちは、すらすら話せる55段階式英会話のJuneです。
先日、「始める」って英語で何というか、について掘り下げて考えてみました。
●「始める」って英語で何て言う?~ニュアンス解説・例文つき~
今日はその続きで、ミーティングなどで「始めましょう」という英語表現についてチェックしていきたいと思います。
というのも、「始めましょう」と言いたいときは単純に「Let’s start.」でよいと思っていたのですが、ネイティブスピーカーの感覚だと、「Let’s get started.」となっていることに、ふと気づいたからなんです。
「Let’s start.」って言ったら、ヘンに聞こえるの?
会議などの場面では、「Let’s get started.」のほうがいいの?
これらの疑問を検証し、みなさんが「場面に合った英語が話せるようになる」ことが、本日のテーマです!
では、さっそく参りましょう。
ネイティブは「Let’s start.」と言わない!?
さっそく、「Let’s start.」と「Let’s get started.」の違いをネイティブ講師に聞いてみました。
「Let’s start.」と誰かが言ったらヘンに思うか?
「Let’s get started.」と言われたときと、印象はどんなふうに違う?
「Let’s start.…うん、あまり言わない。何かを始めるときには、Let’s get started.って言うよ。
Let’s start.はもちろん間違った英語ではないし、ネイティブでも使う人はいる。受ける印象は”トーン”にもよるけど…やっぱりちょっと違和感はあるかなぁ。」
「Let’s start.は、ちょっと一方的というかきつい感じがする。何かを本当にやらないといけないときとか、ちょっと上から圧迫するような…たとえばセールスがよくないときのミーティングとか、「いまこれをやる必要がある!」というシリアスな場面では、Let’s start.が合うと思う。
でも、Let’s get started.は、もっとソフトだしナチュラルな表現。周囲を気遣って、段階的に何かを始めていこうという感覚だな。」
なるほど。
個人差はあるけれど、やはり「Let’s start.」はつかわないようですね。
文法的にみても、
⇒主役が”話者”。話者から周囲に対して「始める」という意思表示がなされている
「Let’s get (it)started.」
⇒主役が”物事”。始めようとしている物事が中心にあり、それを囲んでいるみんなで、その物事を「始めた状態にさせましょう」という意味合い
と言えます。
「Let’s start.」には、「始めるよ」というやや一方的・強制的なニュアンスが出る
「Let’s get started.」には周りを巻き込んで「(みんなで)始めましょうか」という柔らかいニュアンスが出る。
ほんの少しの違いで、印象をコントロールできるんですね!
フォーマルな場面で「Let’s get started.」は使える?使えない?
では次に、「Let’s get started.」が「どんなときでも使える万能フレーズなのか?」を検証していきます。
注目したいのは、文頭の「Let’s 」です。
ちょっと、カジュアルな感じがしませんか…?
またまた、講師に聞いてみました。
「そうだね、”Let’s get started.”はカジュアル。”Let’s begin.”はもうちょっとフォーマルだね。
一番フォーマルな言い方は”Shall we ?”だよ。”Shall we start?””Shall we begin?””Shall we get started?”どれもOK。
でも、友達同士とか家族のあいだでは絶対に使わないよ(笑)。」
単語そのもののフォーマル度が start < begin なので、”Let’s begin.”はフォーマル向きのフレーズなのですね。
それでも、「Let’s」そのものがカジュアルな雰囲気のフレーズなので、フォーマルな場面では使わない。
「Let’s get started.」は、社内のミーティングや、ふだんづかいの言葉と言えそうです。
● まとめ
フォーマルな場面や対外的なプレゼンでは、
「Let’s get started.」は使わない。
”Shall we ~?を使ったフレーズを選ぶ。
みんなおしゃべりをしている。「ねえ、もう始めていい?(怒)」と言いたいときは?
では、もうひとつ。
何かを始めようとしているのに、メンバーがモタモタしていたり、おしゃべりをしていたり。
(イラっ)としてしまうようなシチュエーションでは、どういえばいいのでしょうか?
またまた、講師が教えてくれました!
「”Can we start?”っていう表現もあるけど、これは二通りの意味があるんだよ。
ひとつは、弱い立場・下の立場の人が、初めても良いでしょうか?と許可を求める言い方。
もうひとつは、周りがうるさいときとかに、イヤになっちゃって皮肉として”始めていいですかあ??”って言うとき。
すごく下手に出ているようで、じつは攻撃してる。こういうのを、”passive-aggressive”って言うよ。」
「外国人とのコミュニケーションは、日本と全然ちがいますよ。
たとえばおしゃべりしてて仕事に集中してほしいときに”Focus on”みたいな言い方しても、全然響かないです。
それよりもちょっと皮肉っぽく”Oh, is this time to be talking right now?”とか、”え、今っておしゃべりの時間だっけ?”って言ったほうが響くんです。」
今日2回目の、なるほど です。
すごく当たり前のことを言いますが、コミュニケーションの仕方や言葉の使い方も、文化によってこんなふうに違うんですね。
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