「保育所保育指針」の改定で「災害への備え」が追記!

※この記事は約3分で読めます。

こんにちは、四谷学院の谷村です。

3月11日。あなたはどんな思いで過ごされたでしょうか?

今回の「保育所保育指針」の改定では、「健康及び安全」の項目に「災害への備え」が新しい節として追記されました。
その背景について、解説します。

「災害の備え」を追記した背景

平成23 年に発生した東日本大震災を経て、安全、防災の必要性に対する社会的意識が高まっている。
災害発生後には、保育所が被災者をはじめとする地域住民の生活の維持や再建を支える役割を果たすこともある。
子どもの生命を守るために、災害発生時の対応を保護者と共有するとともに、平時からの備えや危機管理体制づくり等を行政機関や地域の関係機関と連携しながら進めることが求められる。

(「保育所保育指針」解説より)

東日本大震災をきっかけにして危機意識が高まり、保育所における危機管理体制がより重要視されるようになりました。
10年ぶりに改定された「保育所保育指針」にもしっかりと反映されています。

保育所保育指針「災害への備え」

実際に追加された「災害への備え」の文章がこちらです。

4 災害への備え
⑴ 施設・設備等の安全確保
ア 防火設備、避難経路等の安全性が確保されるよう、定期的にこれらの安全点検を行うこと。
イ 備品、遊具等の配置、保管を適切に行い、日頃から、安全環境の整備に努めること。

⑵ 災害発生時の対応体制及び避難への備え
ア 火災や地震などの災害の発生に備え、緊急時の対応の具体的内容及び手順、職員の役割分担、避難訓練計画等に関するマニュアルを作成すること。
イ 定期的に避難訓練を実施するなど、必要な対応を図ること。
ウ 災害の発生時に、保護者等への連絡及び子どもの引渡しを円滑に行うため、日頃から保護者との密接な連携に努め、連絡体制や引渡し方法等について確認をしておくこと。

⑶ 地域の関係機関等との連携
ア 市町村の支援の下に、地域の関係機関との日常的な連携を図り、必要な協力が得られるよう努めること。
イ 避難訓練については、地域の関係機関や保護者との連携の下に行うなど工夫すること。

保育士試験への出題

避難訓練や設備の安全点検自体は、従来より「設備運営基準」などに定めがあり、保育士試験でも出題されてきました(避難及び消火に対する訓練をどのくらいのペースで行うことが義務付けられているか、確認しておきましょう )。
現行の「保育所保育指針」にも、災害に関する言及が無いわけではありませんが、今回の改定においては、かなり具体的かつ大幅に追記されたのです。
今後は「設備運営基準」に加えて、さらに「保育所保育指針」もチェックしたうえで、試験に臨みましょう。

※「保育所保育指針」の追加部分について、四谷学院保育士講座では新「保育原理」テキストで学びます。

四谷学院 保育士講座ホームページ