平成29年後期 実技試験【造形】課題の分析

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こんにちは、四谷学院の谷村です。

平成29年後期保育士試験が無事に終わりました。受験生の皆さん、お疲れ様でした。

実技試験(造形)の課題は、試験当日に発表されます。
筆記試験と違って、自己採点は難しいところもあります。

「こう描いちゃったけど大丈夫?」

気になる方も多いと思いますが、過去の合格例などをもとに、課題の分析をしていきます。

平成29年後期 当日発表の課題

当日出題された造形表現の問題文は以下のとおりです。

【事例】
H保育所の5歳児クラスの子ども達は、園庭で落ち葉を拾っています。そのあと、子ども達は、集めた落ち葉で保育士と一緒に楽しく遊びました。

【条件】
1.落ち葉で遊んでいる様子を描くこと。
2.「園庭」か「保育室」のうちから一つを選び、落ち葉で遊んでいる場所の様子がわかるように描くこと。
3.子ども2名以上、保育士1名以上を描くこと。
4.枠内全体を色鉛筆で着彩すること。

場所の選択

「園庭」「保育室」から1つ選ぶというパータンが、今回は採用されています。
前期試験でも、平成27年にも、場面を選択させる問題が出題されています。

【条件】
1.「給食の準備」、「食事中」、「片付け」のうちから一つを選び、その様子がわかるように描くこと。

すばやく「屋外の遊び」か「屋内の遊びか」を、「どんな風に落ち葉で遊んでいる様子を描くか」を想像して決めることが必要となります。
5分以内で課題を読み終えて、描く場面を決め、構図を考えること、そしてその後は絵画制作に集中できれば、45分という制限時間を上手に使えます。
ただ表現するだけでなく、「場所の様子がわかるように描くこと」と描かれていることから、「中かな?外かな?」迷うような空間ではなく、はっきりと「外!」「中!」と分かるように表現することが求められています。

たとえば・・・
● 壁の時計を描く  →保育室内
● 花壇や生垣を描く →園庭

このような「らしさ」を伝えてくれる背景をきちんと描けることがポイントです。

5歳児クラス

これまで年齢の指定がある場合は「4歳児」が多くありましたが、今回は前期試験と同様、1つ年上の「5歳児」でした。v
絵画で表現する場合には、「赤ちゃん」「幼児」「小学生」くらいの区分があれば十分です。子どもの描き方については特に気にせず、例年通りと考えてよいでしょう。

なお、「5歳児」の発達段階を考慮した遊び方を表現するとよいでしょう。ただ落ち葉を集めるだけ、ただ振り回しているだけというよりは、少し工夫が見られたほうが高得点にはつながるかもしれません。

例:(保育室内)葉っぱを紙に貼って、絵を作成する
例:(保育室内)葉っぱを魚に見立てて、釣堀をつくる
例:(園庭)大きな葉っぱをお面に見立てる
例:(園庭)色別、種類別に箱に入れて分ける
例:(共通)子ども同士のやり取りの様子を描く

「落ち葉を拾う」「落ち葉で遊ぶ」

「落ち葉を拾った後、集めた落ち葉で遊ぶ」のですが、子どもたちにとって、「落ち葉を拾う」もすでに遊びの1つです。

「落ち葉を拾っている様子を描いてしまった、遊んでいる様子じゃない!」

そこまで厳密ではないかと思います。子どもたちが楽しそうに過ごしている様子が、笑顔や体の動きで表現できていれば、それは「遊んでいる様子」ですから、致命的な減点となることはないと予想されます。

子どもは2人以上

人数指定については、例年より少ない2名でした。3人以上で練習していた受験生の場合、かなり楽に感じたのではないでしょうか?
なお、人数の指定が少ないので、後ろ頭のみ、体の一部など描かれている場合は、「人数としてカウントされない」と考えた方がよいでしょう。

「実技試験造形科目 過去問題徹底分析で合格を目指す!」

保育士と「一緒に楽しく遊ぶ」

保育士と一緒に遊ぶ様子の描き方は、色々あります。

・子どもに手を添える
・子どもに葉っぱをわたす
・子どもたちを見守る      など

いずれも「一緒に楽しく遊ぶ」様子といえるでしょう。
遊びの指導や道具の準備をしている様子でも、「一緒に楽しく遊ぶ」に含めてよいと思います。

落ち葉の色

落ち葉は、茶色だけではありません。茶色一色の着彩でも、致命的な減点とはならないと思われますが、黄色、赤、あるいは緑なども使い、カラフルに仕上げると、作品としての印象が良くなるでしょう。

また、落ち葉以外の表現物もあってもよいでしょう。たとえば一緒にドングリが落ちていたり、枯れ枝も落ちているかもしれません。外であれば、トンボが飛んでいたり、コスモスが咲いていたり、あるいは赤い実がなっていたり・・・落ち葉以外の「小さな秋」を見つける子どももいるでしょう。
メインが「落ち葉遊び」であれば、そのほかの小物が登場しても問題ありません。落ち葉以外のものを描いてはいけない、ということではありませんし、むしろ豊かな想像は作品に彩を添えることになると思います。

平成29年後期保育士実技試験【造形】:総評

今回の試験では、初めて「季節感」を表現するテーマが出題されました。

季節が影響するものは、特に「子どもたちの服装」です。「半そで」である場合には、屋内の様子であればそれほど違和感はありません。園庭だとしても、年中半そで・ハダシを推奨する園もありますから、致命的な減点とは考えにくいでしょう。
また、「お出かけ」ではなく「園庭」であることからも、帽子が必須というわけでもありません。ただし、「園庭=外」を選択したことを採点者に伝えるためには、「帽子」が便利な小物ということを覚えておくとよいでしょう。

実技試験の合格通知は平成30年1月13日(土)~1月21日(日)に送付されます。
楽しみに待ちましょうね。

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